地球の内側をのぞける(?) 絶景鍾乳洞の宝庫「南大東島」
今回ご紹介する島は、沖縄県の「南大東(みなみだいとう)島」。
10km程離れた北大東島についての記事(参考記事 絶海の孤島、断崖絶壁、マニアックな離島「北大東島」)もあわせてお読みください。
「北」大東島の記事にも書きましたが、「北」大東島は、一部の離島好き(マニア)の方にしか正直オススメできませんが、「南」大東島は離島旅初心者含め多くの方々に知ってもらい、是非訪れてもらいたいと思う本当に素晴らしい島でした。
絶海の孤島と呼ばれたり、おくなわ(沖縄県の有人離島の中でも人や物の行き来が少ない島々)の一つに数えられてしまう大東島。
当然観光客も少ないので、旅行記や島の情報も少なめです。
この記事で、少しでも南大東島の魅力が伝わればと思います。
目次
・南大東島へのアクセスについて
・南北大東島間の移動について
・南大東島について
・観光スポット
・終わりに
南大東島へのアクセスについては、北大東島と同じですので、北大東島の記事(参考記事 絶海の孤島、断崖絶壁、マニアックな離島「北大東島」)をお読み下さい。
沖縄本島からのフェリーは、北大東島を先に経由する「北先航」、南大東島を先に経由する「南先航」があります。
台風が接近しているなどでなくても、時間どころか日にちが変更になるなんてことがざらにありますので、フェリーのスケジュールは常に最新のものを確認して下さい。
私が訪れた月も、当初の予定通り出航した日は一日たりともありませんでした。。
飛行機もフェリーと同じように、那覇から北大東島を経由して南大東島、南大東島を経由して北大東島という便が存在します。
但し、飛行機のチケットをWEB予約する場合は、注意が必要です!
例えば、那覇から北大東島経由で南大東島に行く便が存在するにも関わらず、出発を那覇・到着を南大東島と指定し検索すると、「その便は存在しません」となってしまうのです。
そこでこの経由便を分割して、那覇⇒北大東島、北大東島⇒南大東島と検索してみると、今度は両チケットが検索結果として現れます。
そして、この検索結果に従ってWEB上で決済してしまうと、当たり前ですが那覇⇒北大東島、北大東島⇒南大東島の2区間分の料金がかかってしまいます。
しかし!!
電話もしくは窓口というアナログな方法で上記の内容を予約してみると・・・那覇⇒南大東島の1区間の料金で予約が出来てしまうのです!
まあ、北大東島は経由するだけなので、この1区間の料金が本来のものであるとは思うのですが、システムの穴とでもいうのですかね・・・
電話でこの件を聞いてみても、なんかこうなってしまうんですみたいな良くわからない説明だったような・・・
私は予めこの情報を知っていたから良かったものの、知らなければWEB検索で便が存在しないという結果が現れた時点で、その日は那覇から南大東島に飛行機で行くことが出来ないのかと勘違いしてしまいますよね。
時刻表好きの方々には好まれそうなネタですね~
南北10km程しか離れていない大東島。
上記の通り、飛行機での移動が可能です。
日本一短い定期便の航空路です。
私も大東島に来た記念に乗ってみましたが、離陸から着陸態勢の時間が驚きの短さでした(笑)
そして、もう一つ大東島の南北間を移動する手段であるフェリー。
そのフェリーなのですが、大東島の周囲は断崖絶壁な上、周辺が高波となっているため、通常のフェリーのように岸に寄せてタラップを使うということが出来ません。
では、どうするのか?
岸から離した場所に船を停泊させて、貨物や車、そして人までがクレーンで吊るされ、岸から船へ、そして船から岸へと移動するのです!
乗客は小さなゴンドラに乗せられて、乗り降りします。
こんなことが出来るのは日本では唯一ここだけなので、この体験もある意味観光の目玉となります。
島民に聞いた話によると、実際に船に乗るわけではなくてもゴンドラの体験はさせてくれるらしいのですが、まあ結構迷惑ですよね・・・
せっかくなので、是非フェリーと飛行機を使って、大東島の南北間を移動してみましょう!
南大東島は、周囲約20km、人口約1300人で、北大東島に比べれば大きな島です。
サンゴ礁が隆起、沈没を繰り返してでき、約4800万年をかけて3200km移動して現在の場所にきたというとても珍しい島です。
ちなみに今でも年間数cmずつ移動しているそうです。
南大東島は、東京の八丈島出身の玉置半右衛門によって開拓されたため、沖縄県でありながら八丈島の文化が流れ込んでいます。
八丈島の名物「島寿司」が食べられたり(大東寿司という名前になっていますが)、沖縄本島では見られないお地蔵さんがあったり、墓や家屋も沖縄県らしくはないです。
そういえばシーサーも見なかったような。
島の様子や、文化・祭りなどが、三吉彩花さん・大竹しのぶさん・小林薫さんらが出演する「旅立ちの島唄~十五の春~」という映画でかなりリアルに描かれているので、訪島前には是非ご覧ください。
南大東島は、北大東島と異なり、宿泊所や飲食店も数多くあります。
飲み屋街もあるので、夜も楽しめます。
食べ物がとてもおいしかったです。
一般的には販売が禁止されている幻の深海魚なんかも食べることが出来ました。
但し、人間の体内では消化が出来ない脂を含んでいるらしく、一定量を超えて食べてしまうと大変なことになるらしいです。
そんな話を島民から聴いたりするのも旅の醍醐味ですね~
それでは、南大東島の観光スポットを紹介していきます。
この島もやはりレンタカーがオススメです。
・バリバリ岩
パワースポットです。
入口こそ、きれいな駐車場があったり休憩所があったりするものの、中に入ると空気が一変します。
洞穴のような場所を下に下にと降りて行きます。
昼間でも薄暗く少し不気味な感じもします。
数百メートル進むと、大きく割けた岩とその間にそびえ立つダイトウビロウが現れます。
この割けた岩がバリバリ岩です。
・海軍棒プール
北大東島と同じく周囲が断崖絶壁で、白い砂浜のビーチが存在しない南大東島。
岩場を人工的にくり抜いて作ったらしく、プールと称しますが、まあ海です(笑)
荒波や満潮時はちょっと怖いですね。
・塩屋プール
海軍棒プールと同じく人工的なプールです。
海軍棒プールよりは小さめです。
やはり泳ぐのは怖いですね。
・線路跡
南大東島は、沖縄県で一番最初に鉄道が通った島で、当時さとうきびを運搬するシュガートレインが走っていました。
トラックの普及と共に利用されることはなくなりましたが、こういった線路跡は時代を感じさせてくれて良いですね。
島内にはいくつかの線路跡が残されています。
・ふるさと文化センター
民俗資料館の他、この島を走っていたシュガートレインも置かれています。
・大池オヒルギ群落
散策路があって、気持ちよく散歩できます。
大池を見渡すには近くの展望台から眺めるのがオススメです。
・南大東漁港
面白い作りの漁港です。
北大東島まで見渡せる隠れ絶景スポットです!
・日の丸山展望台
こちらも絶景です。
・西港
フェリー到着時に、乗客や貨物の積み降ろしが見られて面白いです。
激しく揺れる船体に、クレーンで引き上げた荷物をきれいにはめ込む作業は、まさに神業!
・大東神社
豊年祭などの祭りごとにも利用される神社です。
映画「旅立ちの島唄~十五の春~」でも登場していました。
天然記念物であるダイトウオオコウモリもここで見られるそうです。
・ラム酒工場
旧空港で、今はラム酒工場となっています。
・夕日の広場
きれいな夕日が拝めます。
・星野洞
歩道や照明が整備された鍾乳洞で、南大東島最大の観光スポットです。
受付にいつも人がいるわけではないので予約が必要です。
鍾乳洞内の音声案内を聞くことのできるモバイル機器を貸してもらえます。
サトウキビ畑のすぐ隣という入り口の立地も面白いですね。
東洋一の美しさともうたわれる程、内部は本当に美しかったです。
なが~い年月をかけて作られた自然の芸術ですね。
余談になりますが、島内には高校がありません。
高校進学するには、島を出ていくことになります。
そのため、中学卒業の際に泡盛をこの洞窟内におさめ、成人して島に帰ってきた際にその泡盛を開けて家族と一緒に飲むという風習があります。
洞窟内は、泡盛を熟成させるのに適した環境のようで、実際に泡盛が置かれている場所も見ることができます。
・秋葉地底湖
島内に100以上の鍾乳洞があると言われている南大東島。
その中でも抜群のきれいさを誇る地底湖に辿り着くことが出来る鍾乳洞です。
秋葉地底湖は、私有地の為、「オフィスキーポイント」の東さんに案内してもらい行くことが出来ます。
と言うか、案内無しにたどり着くのは不可能かと思います。
何を目印にどこへ向かっているのかもわからずにひたすらサトウキビ畑をかき分けて入り口に辿り着きます。
入り口はこのような感じです。
ガイドの東さんの説明はとても詳しい上に面白く、南大東島愛に溢れています。
どんな説明を受けて、中がどうなっているのかというのは、是非ご自身で味わってもらいたいので、ここでは省略します。
長年の自然の歴史、光が届くことの無い暗闇の世界、美しい地球の内側を味わうことが出来ます。
暗所恐怖症、閉所恐怖症のような方を除いては、最大限にオススメできるスポットです。
事前予想をはるかに超えた素晴らしい島でした。
確かに沖縄本島からは遠いものの、飛行機があるのでアクセスがそんなに悪いわけでもなく、宿泊所や飲食店にも困らないと思います。
それでも観光客が少ないのは、やはりこの島の魅力がまだまだ伝わっていないのだと思います。
人が住み始めて100何年とまだまだ歴史が浅いので、これから新たな発見などあるかもしれません。
私自身また訪れてみたい島でもあります。
この記事で南大東島の魅力少しでも伝われば幸いです。